カレー大好き
元祖 vs 本店
わたくしがここのところ毎夏訪れる函館には,二軒の不思議なカレー屋があります。
ひとつは「元祖 小いけ」,もうひとつが「小いけ 本店」。このサイト ここ ここ でも紹介されているように,二つの店はほとんど隣りといっていいくらい間近に存在しています。

これは函館のとあるレストラン店主からうかがったお話であり,ことによると根拠のない伝聞に過ぎないのかもしれませんが,この両店はいわゆる「お家騒動」の結果であるとのことですーー

もともと,先代の「小いけ」氏がいまの「元祖」の場所でカレー屋を営んでいらして,たいそう繁盛していたそうです。ところがこの方,ご自身のカレーのレシピを従業員にも息子さんにも秘密にしたまま亡くなってしまいました。実は息子さんも函館の別の場所でカレー屋を営んでいたのでしたが,レシピはやすやすと教えない,という先代の「こだわり」がそこにはあったのかもしれません。

店主が亡くなった後,先代「小いけ」氏の店は,それまでそこで働いていた従業員の方がかなりの権利金を支払って譲り受け,ふたたび「小いけ」として営業したところ,カレーのレシピは変わってしまったものの,これまでの「のれん」の力もあってやはりこの店は繁盛したのだそうです。

これで面白くないのは,同じカレー屋を営む先代「小いけ」氏の実の息子のほうです。われこそは正当な後継者であるとして,「元祖」の店の間近,それもより表通りに近いところに立派な構えの店を建て,「本店」として営業を始めました。それが現在二つの「小いけ」がある理由なのだそうです。

こうして競い合っている両店ですが,このお話をしてくださった方によると,結局のところレシピが失われているため現在の「小いけ」のカレーの味はどちらの店も,先代とはかなり違う味なのだそうです。

(このエピソードに重大な誤りがあるというご指摘がございましたら,おそれいりますが hase7@nifty.com までお知らせ下さい。)

さて,どちらの店のカレーのほうがおいしいのか... それはどうか皆さんご自身で確かめてみてくださいませ。

# わたくしとしては,函館でカレーといったら「新樹」「杉田屋」「シタール」がおすすめです。
2003年8月31日 はせ
Half Moon 閉店
大泉学園の「カフェ Half Moon」は2003年6月29日をもって閉店なさいました。やむにやまれぬご事情とはお察しいたしますが,実に残念です。店長の尾山雅子さんは「あとりえ風雅」として再出発なさいます。

>> Half Moon  (このホームページは8月末まで)
>> あとりえ風雅

(え,フーガですって?)
2003年8月1日 はせ
Half Moon のカレー
最近,大泉学園の「カフェ Half Moon」でカレーのメニューが始まった。こだわりのある店長が出すメニューなので,毎回工夫が凝らされたカレーが楽しめる。

幸運にも,「はせ」がこれまで味わうことのできたカレーは(うろ覚えの記憶をたどると),辛口チキンカレー,スペアリブのカレー,豚とカボチャの甘口カレー,辛口ポークカレー,砂肝とひよこ豆のインドカレーである。(名称は正確ではありません,あしからず)

辛口で肉の旨味がはっきりしたカレーが好きな「はせ」の好みからすると,辛口チキン,スペアリブ,辛口ポークなどが最高だと思う。 惜しくも機会を逃したメニューには,イカスミたっぷりのイカのカレー,昔懐かしいお母さんのカレーがある。実に残念。
2002年10月16日 はせ
カレーの辛さ
カレーの辛さを出すスパイスにはペッパーやジンジャーなどもあるが,いわゆる「大辛」「特辛」「激辛」と形容されるカレーの場合,チリ(トウガラシ)の量を増やして辛くすることになる。

「印度屋」(吉祥寺)の店主によると,その人がどこまでトウガラシ辛いものを食べられるかには日常の「慣れ」が大きく関わっているのだそうだ。「印度屋」は旨いだけでなく,辛いカレーをも売り物にしている店である。

この店長によれば,トウガラシ辛さに対する「慣れ」は,辛いもの(トウガラシ)を日常食べ続けない限り持続しないという。以前,毎日のように激辛カレーを注文していた人が数年のブランクののち同じカレーを食べようとしても,とても食べられないのだそうだ。
2002年8月25日 はせ
カレールーとはなにか
「カレールー」という言葉をよく耳にする。このカレールーの「ルー」とは何だろうか。

肉と野菜を炒めて,調理済みの「カレールー」と呼ばれるものを入れればカレーができるという調理済み半製品が売られているし,カレーライスのライスの上にかかっているもの(つまりはカレーですな)を「カレールー」と呼ぶカレー屋もある。

もともとの「ルー」(roux,フランス語)という言葉の意味に立ち返るなら,小麦粉をバターあるいは何らかの食用油で炒めて作った「つなぎ」,つまり「とろみ」を出すためのものがルーである。

それからすると,カレーライスの上にかかっているカレー自体を「カレールー」と呼ぶのはどうやら行き過ぎのようだ。

つなぎのルーにカレー粉や調味料を加えて「とろみ」と「カレー味」の両方を持たせた中間品を作ったり使ったりする場面では,それを「カレールー」と呼ぶのはおかしくない。しかし,本格的なレシピではルーとカレー粉(あるいは各スパイス)は別々に鍋に投入されるだろう。その両者が投入された時点のものは「調理途中のカレー」であり,調理が完了すれば「出来上がったカレー」になるのであって,調理中および完成後のどの時点のものも「カレールー」と呼ぶにはふさわしくないよう思われる。
2002年8月25日 はせ

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