グールドな毎日
たまにはベートーベン
残り少ない空き領域を何とかやりくりして最近 iPod に送り込んだのはベートーベンのピアノ協奏曲。 もちろんピアノはグールド。

 第1番 ゴルシュマン指揮,コロンビア交響楽団(1958年録音)
 第2番 バーンスタイン指揮,コロンビア交響楽団(1957年録音)モノラル
 第3番 バーンスタイン指揮,コロンビア交響楽団(1959年録音)
 第4番 バーンスタイン指揮,ニューヨーク・フィル(1961年録音)
 第5番 ストコフスキー指揮,アメリカ交響楽団(1966年録音)

こういうグールドもなかなかいいではないですか。
2002年10月27日 はせ
フーガの技法
何年も前,バッハの音楽に接し始めた頃,14の「コントラプンクトゥス」(注1)と4つのカノンからなるこの曲集は,いかにも敷居が高いものに思えたものです。

きっかけは「グレン・グールドをめぐる32本の短いフィルム」(もしくはそういう意味のタイトルの)映画に出会ったことでした。映画のラストの直前,グレン・グールドが「星」になるシーンです。厳密には,グールドの演奏した平均律第1巻第1番が他の約30の曲とともに刻まれたレコードが「ヴォイジャー」に積まれ打ち上げられるシーンなのですが,これで彼は「星」になったのだ,と思ってみたいのです。

ここで演奏されるのが,グールド自身のオルガン演奏によるコントラプンクトゥス第9番「12度によるフーガ」です。この力強く印象的な曲がきっかけで,他のコントラプンクトゥスや以前買い込んで死蔵していたヘルムート・ヴァルヒャの演奏なども聴くようになりました。

するとどうでしょう,これらの曲はとてもチャーミングでワクワクする曲ばかりではありませんか。

最近見つけた次のサイトでは,グールドの演奏についてとても興味深い分析が述べられています:
http://www.seanmalone.net/Gould/GlennGould.html
(このリンクは切れてしまいました。2003年8月)
2002年10月16日 はせ

コントラプンクトゥス第1番のフーガがどう展開してゆくか,4つの声部の旋律の流れを4色の色分けで図解してみました:
コントラプンクトゥス第1番の図解
2002年10月27日 はせ

注1 「コントラプンクトゥス」contrapunctus というのはラテン語で「対位法」,あるいは「対位法による楽曲」という意味です。で,対位法って何? 「対位法」というのは一つの旋律(メロディー)を,和音の積み重ねではなく,もうひとつ(あるいは複数の)旋律で伴奏することで曲が進行する音楽の形のことです。英語では counterpoint と呼ばれます。
グールドな日々
夏休みで訪れた函館の町でしたが,あいにくの雨続きです。ゆっくり時間を過ごそうと,函館山の麓の柳町にある市立函館図書館に足を運んでみました。

外観はそれほど悪くはありませんが,この図書館の中は市立図書館という名から予想していたイメージに反してかなり質素で,中学校の図書室といった趣です。

蔵書も少ないのですが,音楽のコーナーでグレン・グールドに関する何冊かの本を見つけました。さっそく「グレン・グールド変奏曲」という本を手に取ってみます。グールドが1983年に死去した際,グールドと交流のあった人々(あるいはなんらかの関係があった人々)が彼について語ったエッセイや書簡が集められている本です。中にはカラヤン,バーンスタインらの文も含まれています。また,グールド自身によるエッセイも数通収録されていました。

この本を読みながら,iPod で奏でるBGMは当然グールドのバッハです。「平均律」「パルティータ」「イギリス組曲」に浸りながら,グールドにまつわる読書をする,こんなに幸せな雨の日の過ごし方がほかにあるでしょうか。
2002年8月20日 はせ

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